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パイプリストア Archive

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Barlingのステム修理・後編

続きです。
黒瞬着が内部まで完全に硬化するのを待ってリップの成形に入ります。

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ダイヤヤスリでゴリゴリと。大胆且つ繊細に。
ここで削りだす形が最終的なボタン形状の基礎になりますので、上下左右対称に形作ることを心がけます。
2枚目の写真で再生リップの上に黒瞬着のボタン山が形成された2階建て構造が分かると思います。
ちなみに、アクリル盛り付けの下地として詰めた練り消しゴムはこの成形過程で丁寧に掻き出します。

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ヤスリの後は#400~#1000番の耐水ペーパーで形状修正。透明に見えているのが再生部です。
この後、黒色顔料を混ぜたUV樹脂でコートしますので、クラフトナイフで表面を削いで厚みを落としておきます。

また、このパイプはとにかくリップが薄いので再生部とエボナイトステムの接合面が大きく取れません。
そこで、スロット内部からもUV樹脂を盛りつけて再生リップを内側から支えるように補強します。
オリジナルよりも若干ファンネルの開口が狭くなりますが、敢えて強度を優先しました。

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形を整えたリップ全体を黒色顔料を混ぜたUV樹脂でコーティングします。
あまり厚ぼったくならないように。(どうせほとんど削り落としちゃいますから、厚く塗るだけ手間が増えます)

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そして再び削りだし。
ダイヤヤスリ、#400~2000の耐水ペーパーに#4000の研磨フィルムまでかけたところなんですが、
3枚目の写真、再生部を光が透過してます。ちょっと削りすぎちゃいました(^^;;

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ここから先は顔料入りUV樹脂の塗布と硬化、削りだし・研磨の繰り返し。
塗膜の厚み、全体的な形状の微修正、UV樹脂とエボナイト境界部の違和感解消などなど。
地味な作業ですが全工程を通じて一番日数がかかるプロセスで、今回は3回繰り返しました。
実際、再生部の強度や咥え心地は既に固まっていますから、どこまで拘るか、という部分。

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左が最後のペーパー研磨中。まだ若干の肌荒れが残ってます。
右が樹脂用コンパウンドでの最終処理中。ほぼ完成直前です。
ボタン山はステムから垂直に起こすのが理想なんですが、今回は黒瞬着の強度に依存した完全再生ですので
エッジ部の強度を考慮してややRを付けた形状に仕上げました。ある種のビンテージ仕上げです(^^;;

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完成。
ライティングの具合でちと表面が荒れて見えますが、再生部とエボナイトステムはとツライチの仕上がりで
咥えた際の違和感はほぼありません。
オリジナルステムを活かした実用性の回復と言う意味ではまずまずの結果が得られたのではないかと思います。

今回は流石Barlingと思わせる非常に繊細な造りのステムでかなり神経質な工作が求められましたが、
作業難易度それ自体は高くありません。(要は根気勝負ですw)
さほど大きな投資もなく揃えられる道具と工具でできますので、是非試してみてください。
ステム修理、楽しいですよ。

僕も再生部とエボナイトの質感の違いをより目立たなく仕上げる手法や効率的な作業手順を更に突き詰めたいと思います。

Barlingのステム修理・前編

リップの破損したステムをUV樹脂と黒瞬着で修理する機会を得ましたので、その過程をまとめておきます。
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今回リペアするBarling。

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小せぇwww 小せぇwwwwww

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右:ステム上面  左:ステム下面 下面のリップがごっそり欠損してます。

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上面にもティースマークが。全体的にボタンも摩耗してますね。

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今回の作業は、この欠損した下面リップとボタン周り全体の再形成です。
Barlingのリップはとても薄い造りで、破断面の厚みは0.5mm程しかありません。
再形成したリップの固着と実用強度をこの薄い接着面だけで確保できるのかどうかが課題になります。
問題が出たらその時に考える方向で、まずはオキシクリーン漬けから作業開始。

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オキシクリーン処理、スポンジでの軽い研磨とアルコールブラシでの内部清掃を済ませたらいよいよ本作業です。
まずは練り消しゴムをリップに充填。これを最終的に取り除いた空間がリップスロットになります。

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練り消しゴムの上から紫外線硬化樹脂(UV樹脂)を厚めに塗布。
この段階では硬化時間短縮と強度確保のため黒色顔料は混入しません。
リペアの最終段階で顔料を入れたUV樹脂で表面をコートします。
紫外線灯で約1時間、しっかり硬化させます。

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UV樹脂は殆どヒケが無いので、盛ったままの厚みで固まります。
顔料入りUV樹脂でコートする分の厚みやはみ出した部分はこの段階で削り込んでおきます。
カッターナイフで薄く削ぐように。少しずつ慎重に…。
で、案の定この過程で再形成したパーツがステム本体から剥離しました。
やはりあの薄い破断面だけでは接着強度が確保できなかったということです。

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そこで、ステムの厚みをヤスリで落とし、全体を黒瞬着で塗りつぶして固着させる方法を採りました。
もちろん、塗りつぶす前に再形成リップの再接着も黒瞬着で行っています。


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右:上面と 左:下面。
ティースマークの埋めとボタンの再形成もこの黒瞬着で一気に済ませてしまう為、かなり分厚い盛りつけです。
黒瞬着は硬化時の肌荒れとヒケが酷い上に厚塗りすると硬化時間が極端に長くなるのが欠点ですが、
それを利用して内部が生乾きの状態を利用してボタンの山に向けて肉を寄せる等の造型も可能です。

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右:上面と 左:下面。
上面のティースマーク埋め、下面の再生リップの固着、ボタン山再生用の肉盛りと粗加工が終わった状態です。
黒瞬着の完全硬化後は、細部の成形と研磨 → 黒色顔料入りUV樹脂コーティング → 再研磨 → 仕上げ と進めます。

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ということで今日はここまで。続きは次の記事で。

[付記]
やや厚ぼったい感触を除けば、現時点でもほぼ違和感のない程度の咥え心地です。
顔料樹脂コートまで済ませればガチガチに噛まない限りは実用に足る強度も得られるでしょう。
極めて軽いパイプなので自重によるリップへの負荷をほぼ無視出来るのが強みですね。
重たいパイプでこの極薄リップは…ちょっと実用強度を出せる自信がありません^^;;

パイプリストア:破損リップの補修記録#8(黒瞬着盛り2回目&研削・完成)



修正作業、終わりました。

と、また大幅に途中省略してますが、
前項からの作業内容は、エポキシ露出部のペーパー研削(#60~120)、黒瞬着再塗布、ペーパー研磨(#400~2000)、コンパウンド研磨、です。
要は前回やったことの繰り返し。
既に欠損したリップの再形成作業は完了していますので、あとは見た目とリップ周辺の触感をどこまで突き詰めるか、と言うスタンスに移行しています。
まあ、見た目が綺麗で咥えてすべすべであることに越したことはありませんしね。



1回目の黒瞬着研削で露出しまくっていたエポキシも、黒瞬着の層でほぼ完全にカバーされています。
写真では多少各部のつやに差異が見えますが、手にとって眺めても殆ど気にならないレベルです。
リップの山の形状もほぼ完璧で非常に快適な咥え心地。
…例のエポキシに若干の弾力感があると言えばあるんですけどね。
これもある程度は経時硬化する筈ですし、強烈に噛み締めでもしない限り実用上の問題はなさそうです。

パイプ本体(スタンメル)もリストア全工程を終え、戦列復帰の準備は全て整いました。
あとは煙草を詰めて火を入れるだけ…。



今回の一連の作業で、
欠損したリップの再形成という個人レベルではかなりの重修理と思われる補修も比較的容易にこなせることが分かりました。
使用する接着剤の選択や工程の更なる合理化等、改善の余地はまだまだ有りますが、

GBD Prehistoric 9438

こんなどろどろぼろぼろのパイプでも、



こんなにまで甦らせることができる、ということを知っていただければ
そして、廃棄寸前のパイプにちょっとした手間を掛けることで第一線に復帰させてやっていただければ、
とても嬉しく思います。



最後に。

復活なったGBD Prehistoric 9438、
むちゃくちゃ美味いパイプでした!


やっぱりなあ。
どろどろになるまで酷使されたパイプってのは、美味いからこそどろどろのぼろぼろになるまで使われるんだよ。
だから、ちゃんとメンテナンスさえしてやれば、百戦錬磨の激旨パイプとして復活してくれるに決まってるんだよ。


さあ。
それじゃあ、次のどろどろでぼろぼろな激旨パイプを探しに行こうじゃないか!

パイプリストア:破損リップの補修記録#7(黒瞬着研削)

黒瞬着盛り~研磨に関しては広く行われているバイトマーク補修とあまり変わりはありませんので、以下要点だけ書いていきます。



ということで いきなりステップが飛んでますが。
黒瞬着硬化~研削成形~耐水ペーパー磨き~コンパウンド磨きまで一通り済ませたリップ上面の状態です。
クラックが茶色いラインで見えていますが、これは浸透させた黒瞬着に研磨時に出たエボナイトの変色粉が擦り込まれたためです。
クラック自体は完全に埋まっています。

一方、リップの山に見える変色は黒瞬着の層を削り落としたことで下地のエポキシが露出してしまったもの。
成形時にエポキシの削り込みが足らないとこうなります。
黒瞬着を塗料代わりに使うこの手法では、この下地の露出と再盛りつけを数回繰り返すことは想定の範囲です。
面倒と言えば面倒ですし、しっかり磨き上げておけば実用上の問題はないので適当なところで切り上げるのが常ですが。



こちらはリップ下面。
エポキシが大きく露出して斑になっています。エポキシ層の削り込みが全く足りていなかったのでこうなってしまいました。
弾性接着剤の加工性の悪さがこういうところに影響してしまうんですね。
これでも舌で触れても判別できないくらいツライチになってはいるのですが、
流石に見てくれが良くないので2度目の黒瞬着盛りで手当てすることにします。



そしてリップ。
まだ黒瞬着は盛っていませんので、エポキシの層が露出しています。
ここでは、下面のカーブがほぼ完成していることとエポキシの層が一段奥に見えていることに注意してください。
エポキシ研削の時点で再形成部と既存部をツライチまで仕上げておくことが加工上のポイントです。
ここに段差があると、黒瞬着を盛った後のペーパーがけで凸部が集中的に削れてしまい斑の要因になります。
また、エポキシ層をやや奥まで削り落としているのは黒瞬着を盛るための余裕しろです。
スロットからあまり露骨にエポキシが見えちゃうと格好悪いですからね。

パイプリストア:破損リップの補修記録#6(エポキシ成形~黒瞬着盛り)



エポキシを盛って一晩、硬化していることを確認して嵩上げ用に充填したひっつき虫を掻き出します。
剥離用の油を塗ってある場合、テノン側からモールを押し込んで数往復もさせれば大半は取れてしまいます。
端部やエポキシ面に付着している残滓は竹串やスパチュラで丁寧に掻き出します。



作業中の写真です。
ひっつき虫は殆ど除去されて透明なエポキシの層だけが残りました。これが再形成リップの構造基部になります。
この後、クラフトナイフで不要なエポキシの盛り上がりを削り、エッジ部の山を成形し、更に黒瞬着を盛り…と進むわけですが。

実は、今回選択した2液エポキシはガチガチに固くなる完全硬化タイプではありませんでした。
硬化後もある程度の弾性を保持し続けるタイプだったんですね。これは予想外。
(事前テストもせずぶっつけ本番でやるからこういう事になるわけですが…)
硬化時のヒケも気泡の発生も殆ど無い実に優秀な接着剤なんですが、作業完了後も硬質ゴムくらいの微妙な弾力が残ってます。
咥え心地をスポイルするとか強度的な不安があるとかではないのですが、弾性が残ってるとクラフトナイフで削りにくい!ペーパーも上手くかからない!ということで作業性が大幅に落ちます。
(この切削の途中でポロッと取れちゃったというわけで。削りにくい分、接着面に余計な負荷がかかったのでしょう)

この記事を参考に作業される場合は、完全硬化タイプの接着剤を選ぶことを強くおすすめします。
また、加工性と強度の両立したいい製品があれば紹介していただけると助かります。

さて。



四苦八苦しつつエポキシの成形が完了したら黒瞬着を盛ります。



盛ります、というより塗り込めます、といった感じですが。
黒瞬着は硬化すると表面がかなり荒れますし、ヒケもかなり大きいです。
その為、なるべく分厚くぼってり塗って、最終成形に余裕しろを持たせた方がよいです。
特にリップエッジの山については、半乾きの時を狙って爪楊枝などで寄せて盛り上げ、不足部には更に黒瞬着を盛
ってボリュームを確保しておくと後々非常に楽になります。

それと、写真を撮り忘れてしまいましたが、
黒瞬着を塗る前にリップ上面のクラックの手当もやっています。
#60-120の粗い布ペーパーで割れに沿って溝を掘るように研磨し、溝ごと周辺まで黒瞬着を塗り込めています。

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