それでは補修作業に入ります・
まずは、酸化したエボナイトのクリーニングを済ませてしまいます。
オキシクリーンを使ったOメソッドについてはこちらを参照させていただきましょう。
外部リンク:Ye Olde Briars : マウスピース:オフパイプ・ポリッシング&Oメソッド
オキシクリーンによる脱色処理後、メラミンスポンジで全体を磨き上げた状態です。
エタノールに浸したブリッスルモールを何本も使って煙道内のタールも大半が除去済みです。
本来はこの後、耐水ペーパーでのステム磨きに入るんですが、今回はリップ補修作業を優先します。
ステム磨きは、リップ成形が完了して塗布した接着剤を削り落とす際に併せて行います。
この個体は当初の見かけほど酸化が進行していなかったようで、この段階で比較的綺麗な黒地が出てきました。
全体に黄ばんではいるものの大きな肌荒れもなく、ピアノブラックを取り戻すこと自体は簡単に済みそうです。
さて。
この段階で大切なのは、リップの破断面の酸化層やタールを完全に除去しておくことです。
ステムの他の部分を磨くのは後回しでかまいませんが、破断面を中心に接着剤を塗布する部分
(概ね、実際に口に咥える長さ分くらい)は徹底的に処理しておきましょう。
番手の低い布ペーパー(#60~120)で酸化層を削り落とすと共に表面を荒らし、更にエタノール綿棒で脱脂もしておきます。
エポキシや瞬間接着剤がしっかり食いついてくれないとせっかく再形成したリップがポロっと取れてしまいますのでここは念入りに。
最終的に黒瞬着で表面をコートしますので、この工程ではある程度深く削っても大丈夫です。
むしろ、黒瞬着の残厚が確保できないと最終の磨き工程で下地が出てしまいムラになります。強度が落ちない程度にガシガシ削りましょう。
但し、破断面周囲は極端に薄くなっている部分もありますのでそこだけは注意してください。
まぁ、欠けたら欠けたで補修範囲が広がるだけですからそれほど神経質になる必要はありませんが。

オキシクリーン&メラミン処理直後のリップ上面です。
変色にまぎれていたクラックがハッキリ見えています。微細なようで裏面まで貫通している深刻なダメージですが、
この程度ならクラックに沿って多少掘り下げ、黒瞬着を盛ってしまえばOKです。
こちらもしっかりペーパーを掛けておきます。
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